「聖の青春」感想

はじめに

もともと将棋が好きなこともあって、羽生世代に夭折した棋士がいたことを知っていた。この棋士について書かれている本を読みたいと思っていたところ、Kindle Unlimitedに「聖の青春」があり、これ幸いとばかりに読むことにした。

 

感想

ノンフィクション作品は好きではないので、普段はほとんど読まないのだが本作は読んでいて非常に面白かった。ノンフィクション作品の多くは対象の綺麗な面しか描かれていなかったりして読んでいて不快になるが、本作では人間らしく対象の村山聖が描かれていて好感が持てた。

ノンフィクションでは「展開が〜」とか「整合性が〜」とかいう話は存在し得ない*1ので、読んで思ったことを書いていく。

村山聖は名人を目指している途上の29歳で亡くなる。亡くなる直前まで、まさに命を燃やして将棋に打ち込んでいる様子に胸を打たれ、自分自身のことを考えさせられた。私は現在27歳であり、村山聖が亡くなった年齢とさほど違いはない。しかしながら、彼のように命を燃やして何かに打ち込んでいるかと問われたら、否と答えるしかない。命を燃やしてまでやりたいことがないというのが実情である。そういう点では、命を燃やしてまでやりたいことがあった村山聖を羨ましく思う。

最後に

久しぶりになんために生きるのか真面目に考えるきっかけとなった。

本作は2016年に松山ケンイチ主演で実写映画化されているので、時間を見つけてそちらも見てみたい。

*1:人間が矛盾の塊なので整合性など存在しないし、展開に論理性などない